2009.05.12
安寿ミラさんと『銀河鉄道の夜』
また1か月開いてしまいました(_ _;)
日本帰ってきてからの方がバタバタするのは、なんでやろ。
さて、演奏会のご案内です。マネジメント会社のウェッブで情報発信できないため、ここに書いておきます。
ここに登場する作曲家・【笠松 泰洋】氏は、高校の二期上の先輩でした。地方の高校においては
もう、みるからにド天才でして、中学生くらいから突出していたようです。高校ではお隣の吹奏楽部で活躍し(私は合唱部だった)、大学へ行ってからは初心貫徹・三善晃に弟子入りした、ということもあって、たまの帰省時には、東京の音楽(業界)情報をお聞きしたりするのに夢中になったなぁ、なんて昔を思い出します。
現在、作曲家として、特に舞台やダンス、映画や演劇方面でご活躍中ですが、クラシックの作品でも評価の高いものを逐次発表されていて、たとえばウィーン弦楽四重奏団(ヒンクさんたちの)の初演で委嘱の弦楽四重奏曲を発表したり、王子ホールで『エレクトラ三部作』という室内オペラを3年にわたり発表し好評を得たりもしています。私も何度か(けっこう)取材でお付き合いがあるわけです。
一昨年、佐世保(長崎)で上演された【朗読と室内オーケストラによる室内オペラ】が東京で再演が決まり、期待されているところ。
2009年5月23日(土)の昼、夜、2回公演です。
: : : : : : : : : : : : : : : :
笠松泰洋
『音楽×空間』Vol.1
朗読と室内楽による『銀河鉄道の夜』(原作・宮澤賢治)
【2009年5月23日(土) 14時開演/18時30分開演】
東京文化会館 小ホール
出演:安寿ミラ(朗読)
笠松泰洋(構成・作曲・指揮)
木ノ脇道元(フルート)
早川りさこ(ハープ)
太田雅音(ヴァイオリン)
安田謙一郎(チェロ)
チケット:全席指定¥5500/学生券(せきれい社のみ取扱)¥2000
チケット取扱:チケットぴあ Tel0570-02-9999(Pコード 314-543)
東京文化会館チケットセンター Tel03-5685-0650
せきれい社 03-5414-5914(土日祝・休)※未就学児童は入場できません
主催・問合せ:株式会社せきれい社

: : : : : : : : : : : : : : : :
バックの室内オケのメンバーも素晴らしいですが、安寿さんの朗読が本当に素晴らしいです。
さすがに宝塚出身、少年役が嘘ぽくない。もちろん女性役もおばあさん役も抜群。まったく違和感なく、あの名作を言葉にしていきました(私は佐世保で聞いた)。
チケットはすでに発売されていて、上記から買えます。ブログフォームから、私にメールいただいても結構です。その場合は、 「お名前」「メールアドレス」「ご連絡先(ご住所、電話番号)」と昼か夜か、および枚数をお知らせくださいね♪
この「情報部分」(= :::で上下を囲われた部分)は転送・転載OKにいたします。
日本帰ってきてからの方がバタバタするのは、なんでやろ。
さて、演奏会のご案内です。マネジメント会社のウェッブで情報発信できないため、ここに書いておきます。
ここに登場する作曲家・【笠松 泰洋】氏は、高校の二期上の先輩でした。地方の高校においては
もう、みるからにド天才でして、中学生くらいから突出していたようです。高校ではお隣の吹奏楽部で活躍し(私は合唱部だった)、大学へ行ってからは初心貫徹・三善晃に弟子入りした、ということもあって、たまの帰省時には、東京の音楽(業界)情報をお聞きしたりするのに夢中になったなぁ、なんて昔を思い出します。
現在、作曲家として、特に舞台やダンス、映画や演劇方面でご活躍中ですが、クラシックの作品でも評価の高いものを逐次発表されていて、たとえばウィーン弦楽四重奏団(ヒンクさんたちの)の初演で委嘱の弦楽四重奏曲を発表したり、王子ホールで『エレクトラ三部作』という室内オペラを3年にわたり発表し好評を得たりもしています。私も何度か(けっこう)取材でお付き合いがあるわけです。
一昨年、佐世保(長崎)で上演された【朗読と室内オーケストラによる室内オペラ】が東京で再演が決まり、期待されているところ。
2009年5月23日(土)の昼、夜、2回公演です。
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笠松泰洋
『音楽×空間』Vol.1
朗読と室内楽による『銀河鉄道の夜』(原作・宮澤賢治)
【2009年5月23日(土) 14時開演/18時30分開演】
東京文化会館 小ホール
出演:安寿ミラ(朗読)
笠松泰洋(構成・作曲・指揮)
木ノ脇道元(フルート)
早川りさこ(ハープ)
太田雅音(ヴァイオリン)
安田謙一郎(チェロ)
チケット:全席指定¥5500/学生券(せきれい社のみ取扱)¥2000
チケット取扱:チケットぴあ Tel0570-02-9999(Pコード 314-543)
東京文化会館チケットセンター Tel03-5685-0650
せきれい社 03-5414-5914(土日祝・休)※未就学児童は入場できません
主催・問合せ:株式会社せきれい社

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バックの室内オケのメンバーも素晴らしいですが、安寿さんの朗読が本当に素晴らしいです。
さすがに宝塚出身、少年役が嘘ぽくない。もちろん女性役もおばあさん役も抜群。まったく違和感なく、あの名作を言葉にしていきました(私は佐世保で聞いた)。
チケットはすでに発売されていて、上記から買えます。ブログフォームから、私にメールいただいても結構です。その場合は、 「お名前」「メールアドレス」「ご連絡先(ご住所、電話番号)」と昼か夜か、および枚数をお知らせくださいね♪
この「情報部分」(= :::で上下を囲われた部分)は転送・転載OKにいたします。
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2008.09.06
9月のお勧め(!?)
ここ数年来、こんなに演奏会に行かなかった月はなかった、というくらいにお休みしてしまった7月8月。無駄にしてしまったチケット&招待状は多い。ごめんなさい(&悔しい、、、)。
チラシの整理をしていて、「あーこれは」という見所聴きどころを逃した悔しさはひとしお。特に邦人のオペラとかあと来日の小さなコンサートとか、そういうのが悔しい。PMFは中でも悔しい(;_;)
といっても、仕方ありませんな。8月の終わりは、体調を崩してパスしてしまった企画が、とても悔しい(ご迷惑をおかけしました)のである。ま~過ぎたことよりも先のことを、と思うことにする。
・・・
というので、「行ったものを記録しよう」と思うと、スルーしてしまうことも多いので、プレビューならどうか? と思ってみる。自分が行こうと思ってるものやら、これはイイナと思っているものを書き出してみると、、、ほぼ自己満足の世界かもだけど、此処は辺境のblogだし(辺境通り越してロビンソン・クルーソー、だと誰かがご自分のblog言ったのが名言だったので、そのままパクり・笑)。何書いてもよかろう♪
9月は今週までがゆるゆると休み。
9月2日から10日までは【武生(たけふ)国際音楽祭2008】が福井県越前市で行なわれている。作曲家・細川俊夫プロデュース(?)、音楽アドヴァイザー・今井信子で、ここ数年は、ミケランジェロSQなども参加するし、ワークショップやレッスンなども充実していて、昨年は行った(>『ストリング』誌に記事)が、たいへん楽しかった。作曲家の育成もあるので、海外から若手も来たり、現代音楽の秀逸な演奏もけっこう聴ける。ピアニスト・伊藤恵さんも参加されて、今井さんとデュオをやったりで、聴きものであった。
今年も同様、今井さんと恵さんの演奏はたいへんな魅力だ。岡崎啓輔の参加で、今日がリサイタル? あとは彼女たちと「鱒」を演奏。本当は本日から月曜まで行く予定だったのだが(ちょうど、母校=高校 の文化祭もやっているということで、漫研の後輩たちの展示や出品、弦楽部や合唱部を訪ねたりもしてみようかとも思っていたのだが)、体調不良のことだし大事をとって断念した。週明けは某雑誌の校了も控えていることだし。
9月9日(火) 某クローズドコンサート。これは毎年楽しみにしている客先のコンサート。自オケはサボりになるが、勘弁である。
9月10日(水) 読売日本交響楽団 第474回定期 サントリー
おや、久しぶりにスクロヴァチェフスキだ。この方が、頻繁に来日するようになる前後、けっこう好きで応援していた。(そういう関係者は多かったようだが)第8代常任指揮者だもんね。明るい筆致と、年齢よりずっと若い(いろいろな意味で)演奏が特徴…のような気がしている。ここのところ、彼の指揮の時に、なかなか行けなかったので、この日は満を持して。夜、友人と(会場で)会って呑む約束したしな。そういう決まりをつくっておくと、絶対いくであろう。
ブラームス/第3、シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1(Vn独奏:アリョーナ・パーエワ)、ショスタコーヴィチ/第1
ショスタコの1番は久しぶりに聴く。パーエワは、そういえばプレスリリース来てたような、生を聴くのは初めて。う~ん、ブラームスはどんな3番になるのだろう?
読響は、今年後半はなかなかソリストがおいしいです。楽しみだけど、頑張って全部行こうっと。
(続く…)
チラシの整理をしていて、「あーこれは」という見所聴きどころを逃した悔しさはひとしお。特に邦人のオペラとかあと来日の小さなコンサートとか、そういうのが悔しい。PMFは中でも悔しい(;_;)
といっても、仕方ありませんな。8月の終わりは、体調を崩してパスしてしまった企画が、とても悔しい(ご迷惑をおかけしました)のである。ま~過ぎたことよりも先のことを、と思うことにする。
・・・
というので、「行ったものを記録しよう」と思うと、スルーしてしまうことも多いので、プレビューならどうか? と思ってみる。自分が行こうと思ってるものやら、これはイイナと思っているものを書き出してみると、、、ほぼ自己満足の世界かもだけど、此処は辺境のblogだし(辺境通り越してロビンソン・クルーソー、だと誰かがご自分のblog言ったのが名言だったので、そのままパクり・笑)。何書いてもよかろう♪
9月は今週までがゆるゆると休み。
9月2日から10日までは【武生(たけふ)国際音楽祭2008】が福井県越前市で行なわれている。作曲家・細川俊夫プロデュース(?)、音楽アドヴァイザー・今井信子で、ここ数年は、ミケランジェロSQなども参加するし、ワークショップやレッスンなども充実していて、昨年は行った(>『ストリング』誌に記事)が、たいへん楽しかった。作曲家の育成もあるので、海外から若手も来たり、現代音楽の秀逸な演奏もけっこう聴ける。ピアニスト・伊藤恵さんも参加されて、今井さんとデュオをやったりで、聴きものであった。
今年も同様、今井さんと恵さんの演奏はたいへんな魅力だ。岡崎啓輔の参加で、今日がリサイタル? あとは彼女たちと「鱒」を演奏。本当は本日から月曜まで行く予定だったのだが(ちょうど、母校=高校 の文化祭もやっているということで、漫研の後輩たちの展示や出品、弦楽部や合唱部を訪ねたりもしてみようかとも思っていたのだが)、体調不良のことだし大事をとって断念した。週明けは某雑誌の校了も控えていることだし。
9月9日(火) 某クローズドコンサート。これは毎年楽しみにしている客先のコンサート。自オケはサボりになるが、勘弁である。
9月10日(水) 読売日本交響楽団 第474回定期 サントリー
おや、久しぶりにスクロヴァチェフスキだ。この方が、頻繁に来日するようになる前後、けっこう好きで応援していた。(そういう関係者は多かったようだが)第8代常任指揮者だもんね。明るい筆致と、年齢よりずっと若い(いろいろな意味で)演奏が特徴…のような気がしている。ここのところ、彼の指揮の時に、なかなか行けなかったので、この日は満を持して。夜、友人と(会場で)会って呑む約束したしな。そういう決まりをつくっておくと、絶対いくであろう。
ブラームス/第3、シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1(Vn独奏:アリョーナ・パーエワ)、ショスタコーヴィチ/第1
ショスタコの1番は久しぶりに聴く。パーエワは、そういえばプレスリリース来てたような、生を聴くのは初めて。う~ん、ブラームスはどんな3番になるのだろう?
読響は、今年後半はなかなかソリストがおいしいです。楽しみだけど、頑張って全部行こうっと。
(続く…)
2008.06.03
38年間の締めくくり
私はやはり室内楽、特に弦楽四重奏が好きなのだろうと思う。聴くのに緊張し、時には神経も遣う演奏形態なのに、感動する時は深く、また心地よい時は本当に奇跡に立ち会う気分にさせてくれる。多くを語るのは別の場にしたいと思うが、この6月2日(月)。サントリーホールにおいて、世界で最も有名な弦楽四重奏団(といってもいいだろうね?)、アルバン・ベルク四重奏団の最後の演奏が行なわれた。
その前にピヒラーさんのインタビューをしていたために、今回はご招待いただき真正面の席での視聴となる。表情の一つ一つから呼吸の細かいやり取りまでがわかることで、いやおうなく、この最後のイベントの立会い者の気分にさせてくれる。
P席だけ閉じた残りおそらく1,800程度の満員の聴衆は、固唾を呑んでというかしわぶきひとつなく熱い静寂で開始を待っていたし、演奏にも共感と緊張、そして弛緩と幸福、興奮と安寧が満ち、稀有な夜となった。
終始常日頃どおりであるのだろう、気負いも興奮も見せない常なる精神と状態の4人がステージ上におり、そして常と変わらぬ演奏を聴かせてくれた。華やかで、翳りの無い、まだまだこの先も永遠に歩いていけそうだと思わせるハイドンであり、ベルクであり、ベートーヴェンだった。
この詳細もまた、記事でお目にかかれると思う。
その前にピヒラーさんのインタビューをしていたために、今回はご招待いただき真正面の席での視聴となる。表情の一つ一つから呼吸の細かいやり取りまでがわかることで、いやおうなく、この最後のイベントの立会い者の気分にさせてくれる。
P席だけ閉じた残りおそらく1,800程度の満員の聴衆は、固唾を呑んでというかしわぶきひとつなく熱い静寂で開始を待っていたし、演奏にも共感と緊張、そして弛緩と幸福、興奮と安寧が満ち、稀有な夜となった。
終始常日頃どおりであるのだろう、気負いも興奮も見せない常なる精神と状態の4人がステージ上におり、そして常と変わらぬ演奏を聴かせてくれた。華やかで、翳りの無い、まだまだこの先も永遠に歩いていけそうだと思わせるハイドンであり、ベルクであり、ベートーヴェンだった。
この詳細もまた、記事でお目にかかれると思う。
2008.05.29
Vaスペース
毎年のことだが、続けること発信することの実績というのは素晴らしい、と思う。ヴィオリストたちの意識の高さと、そうやって人々が次の世代に伝えていくこと、を実感として聴くことができるのは感動ものだ。
体調もあまりよくないことと、新雑誌(<クラシックには関係ありまへん)の準備等で慌しく、マスタークラスと無伴奏連続コンサートに行けなかったのは相当に残念。レッスン風景というのは何よりもの勉強になるのだし、受講生の中から新たなる光を発見したり成長の様子を聴けるのはファンの楽しみというものだろう。
そういった意味でも初日の冒頭、8人のヴィオリストによるジェイコブの組曲は素晴らしかった。
菅沼準二/安藤裕子/大島 亮/小峰航一/阪本奈津子/篠崎友美/瀧本麻衣子/原 裕子/
5月27日(火)19時 紀尾井ホール 第一夜「ヴィオラの妙なる響き」
1.ジェイコブ:8本のヴィオラのための組曲
2.リゲティ:無伴奏ヴィオラソナタ
ヴィオラ/アントワン・タメスティ
3.ノックス:「ヨナとくじら」
ヴィオラ/ガース・ノックス、テューバ/橋本晋哉
4.ブラームス:ヴィオラソナタ 第1番
ヴィオラ/店村眞積、ピアノ/野平一郎
5.ブラームス:ヴィオラ三重奏曲 イ短調
ヴィオラ/今井信子、チェロ/アントニオ・メネセス、ピアノ/野平一郎
5月28日(水)19時 紀尾井ホール 第ニ夜「ヴィオラ協奏曲の饗宴」
1.エルガー:セレナード ホ短調 op. 20
指揮/高関 健、管弦楽/桐朋学園オーケストラ(以下も同様)
2.ヴィヴァルディ:ヴィオラ・ダモーレ協奏曲 ニ短調 RV.393
ヴィオラ・ダモーレ/ガース・ノックス
3.ウェーバー:アンダンテとハンガリア風ロンド ハ短調 op.35
ヴィオラ/アントワン・タメスティ
4.ヴォーン=ウィリアムズ:ヴィオラとオーケストラのための組曲から
ヴィオラ/鈴木康浩
5.モーツァルト:協奏交響曲 変ホ長調 K.364
ヴァイオリン/山田晃子、ヴィオラ/今井信子
印象については、「音楽現代」9月号の原稿で、ということにして、此処には書かない(笑)。
タメスティやノックスと再会を喜び、2人に少し時間をいただいてインタビューができた。テューバ橋本氏も才能ある逸材。ノックスのアンサンブル・アンタルコンテンポランの同僚の弟子で、2年ほど前帰国して活躍中。この曲の日本での普及に腐心もしているということだった。
体調もあまりよくないことと、新雑誌(<クラシックには関係ありまへん)の準備等で慌しく、マスタークラスと無伴奏連続コンサートに行けなかったのは相当に残念。レッスン風景というのは何よりもの勉強になるのだし、受講生の中から新たなる光を発見したり成長の様子を聴けるのはファンの楽しみというものだろう。
そういった意味でも初日の冒頭、8人のヴィオリストによるジェイコブの組曲は素晴らしかった。
菅沼準二/安藤裕子/大島 亮/小峰航一/阪本奈津子/篠崎友美/瀧本麻衣子/原 裕子/
5月27日(火)19時 紀尾井ホール 第一夜「ヴィオラの妙なる響き」
1.ジェイコブ:8本のヴィオラのための組曲
2.リゲティ:無伴奏ヴィオラソナタ
ヴィオラ/アントワン・タメスティ
3.ノックス:「ヨナとくじら」
ヴィオラ/ガース・ノックス、テューバ/橋本晋哉
4.ブラームス:ヴィオラソナタ 第1番
ヴィオラ/店村眞積、ピアノ/野平一郎
5.ブラームス:ヴィオラ三重奏曲 イ短調
ヴィオラ/今井信子、チェロ/アントニオ・メネセス、ピアノ/野平一郎
5月28日(水)19時 紀尾井ホール 第ニ夜「ヴィオラ協奏曲の饗宴」
1.エルガー:セレナード ホ短調 op. 20
指揮/高関 健、管弦楽/桐朋学園オーケストラ(以下も同様)
2.ヴィヴァルディ:ヴィオラ・ダモーレ協奏曲 ニ短調 RV.393
ヴィオラ・ダモーレ/ガース・ノックス
3.ウェーバー:アンダンテとハンガリア風ロンド ハ短調 op.35
ヴィオラ/アントワン・タメスティ
4.ヴォーン=ウィリアムズ:ヴィオラとオーケストラのための組曲から
ヴィオラ/鈴木康浩
5.モーツァルト:協奏交響曲 変ホ長調 K.364
ヴァイオリン/山田晃子、ヴィオラ/今井信子
印象については、「音楽現代」9月号の原稿で、ということにして、此処には書かない(笑)。
タメスティやノックスと再会を喜び、2人に少し時間をいただいてインタビューができた。テューバ橋本氏も才能ある逸材。ノックスのアンサンブル・アンタルコンテンポランの同僚の弟子で、2年ほど前帰国して活躍中。この曲の日本での普及に腐心もしているということだった。
2008.02.04
プロジェクトQ
2月2日、土曜日。
…というともう少し前になってしまうが、紀尾井ホール(小)へ、プロジェクトQの仕上げコンサートを聴きに行ってきた。
これは毎年、テレビマンユニオンが行なっている若い演奏家たち支援の室内楽プロジェクトで、来日する世界の一流弦楽器奏者たちによるクリニックと、トライアルコンサートの繰り返しによる1年間の弦楽四重奏のトレーニングと場の提供である。
このあとどうするのか。それでうまくいってしまったらどうするのか。
そんな疑問は残るだろうけれど、場を提供し機会を与えるという意味は大きい。聴き手側にとっても、室内楽が育ちにくい土壌である日本において、こういう機会が設けられ、人々の目や耳に触れるだけでも違うだろうと思う。
まぁ毎年必ず何らかの形で顔出してはいるのだが、今年は夏時期のワークショップが見られなくてけっこう残念だった。but本番の最後の3組がベートーヴェンの4、5、6に挑戦というので聴きに行く。
一組目。第4番、c-moll。桐朋4人組・男ばかりのチーム。
1stに注目の新人・崎谷直人くんが座る。
演奏した曲と譜面を読み勉強しただけの曲に理解度の差があってはいけないと、聴く方がシゴトの私は思うのだが、いかんせん実践派の自分には、その格差は明らかにある。この曲はひどくまじめに研究し、カルテットでも弾いてもい、好きな曲でもあるので細かい音までが耳に飛び込む。曲の解釈についても様々な意見を持ってしまう。
彼らのコンセプトは明らかで、それを弾ききる力量の持ち主たちだった。そしてそれぞれが個性的で、さらにひとりずつがソロが弾ける腕前の持ち主だ。現状、そうでなければ室内楽奏者として活動をするのは難しいのだ。
組んで1年だそうだ。学内の試験で首席を獲ったというチームで、授業で組んだのがきっかけなのだろう(おそらく)。だが、男4人というのも良いし、実力も華もある。それぞれの役割もきっちりしていて、個性もある。…続けてほしいなと思うのは欲目だろうか。
2組目。第5番。東京音大組・チェロだけ男。
チェリストが体調を崩し代役だったのがさすがに音的にも残念だったが(もちろん良く弾いていたが、一体感という意味では少々辛かった)、東京音大の弦のレベルもこのあたりまで来たのか、という感慨を持った。ピアチェーレの弟子たちだということでさもありなん。リサイタルも経験済みというが、演奏会経験豊富なメンバーのいる前後の組に比べてしまうと発表会的なのは否めない。が、これまで弦といえばTかGか、だった処へもってきての、母校のレベルアップは、なかなか期待を持たせてくれ嬉しかった。
3組目。第6番。芸大3年生同級生女4人組。
というか、この「ステラ」はもう業界では知られたチームだ。芸高2年から組んで、演奏活動も視野にいれながら様々な機会に現れ、マスタークラスを受けたり、また軽井沢の音楽祭などでも演奏する。室内楽でもやっていこうという気があると思われ、ずっと応援していたりもする。1stとヴィオラはコンクールの入賞経験も持つ。4人ともが達者な技術を持つが、卒業した瞬間が勝負だろうと思っている。
さすがに安定した団体で、グループとしての音色が少し出てきた。4人の合奏ではなく、カルテットとしてのまとまりが感じられたのは初めてのことで、この団体がベートーヴェンには注力してきているのも無関係ではないだろう。また、音色の説得力は他に比べ、ステージ経験値の差なのかもしれない、よく通る。彼女たちが目指している強さのようなものはもう一歩というところだが、志向する方向性も見え始めて、楽しみなグループである。
と、学生の演奏としては、なかなか“コンサート”として満足した演奏会だったです。
…というともう少し前になってしまうが、紀尾井ホール(小)へ、プロジェクトQの仕上げコンサートを聴きに行ってきた。
これは毎年、テレビマンユニオンが行なっている若い演奏家たち支援の室内楽プロジェクトで、来日する世界の一流弦楽器奏者たちによるクリニックと、トライアルコンサートの繰り返しによる1年間の弦楽四重奏のトレーニングと場の提供である。
このあとどうするのか。それでうまくいってしまったらどうするのか。
そんな疑問は残るだろうけれど、場を提供し機会を与えるという意味は大きい。聴き手側にとっても、室内楽が育ちにくい土壌である日本において、こういう機会が設けられ、人々の目や耳に触れるだけでも違うだろうと思う。
まぁ毎年必ず何らかの形で顔出してはいるのだが、今年は夏時期のワークショップが見られなくてけっこう残念だった。but本番の最後の3組がベートーヴェンの4、5、6に挑戦というので聴きに行く。
一組目。第4番、c-moll。桐朋4人組・男ばかりのチーム。
1stに注目の新人・崎谷直人くんが座る。
演奏した曲と譜面を読み勉強しただけの曲に理解度の差があってはいけないと、聴く方がシゴトの私は思うのだが、いかんせん実践派の自分には、その格差は明らかにある。この曲はひどくまじめに研究し、カルテットでも弾いてもい、好きな曲でもあるので細かい音までが耳に飛び込む。曲の解釈についても様々な意見を持ってしまう。
彼らのコンセプトは明らかで、それを弾ききる力量の持ち主たちだった。そしてそれぞれが個性的で、さらにひとりずつがソロが弾ける腕前の持ち主だ。現状、そうでなければ室内楽奏者として活動をするのは難しいのだ。
組んで1年だそうだ。学内の試験で首席を獲ったというチームで、授業で組んだのがきっかけなのだろう(おそらく)。だが、男4人というのも良いし、実力も華もある。それぞれの役割もきっちりしていて、個性もある。…続けてほしいなと思うのは欲目だろうか。
2組目。第5番。東京音大組・チェロだけ男。
チェリストが体調を崩し代役だったのがさすがに音的にも残念だったが(もちろん良く弾いていたが、一体感という意味では少々辛かった)、東京音大の弦のレベルもこのあたりまで来たのか、という感慨を持った。ピアチェーレの弟子たちだということでさもありなん。リサイタルも経験済みというが、演奏会経験豊富なメンバーのいる前後の組に比べてしまうと発表会的なのは否めない。が、これまで弦といえばTかGか、だった処へもってきての、母校のレベルアップは、なかなか期待を持たせてくれ嬉しかった。
3組目。第6番。芸大3年生同級生女4人組。
というか、この「ステラ」はもう業界では知られたチームだ。芸高2年から組んで、演奏活動も視野にいれながら様々な機会に現れ、マスタークラスを受けたり、また軽井沢の音楽祭などでも演奏する。室内楽でもやっていこうという気があると思われ、ずっと応援していたりもする。1stとヴィオラはコンクールの入賞経験も持つ。4人ともが達者な技術を持つが、卒業した瞬間が勝負だろうと思っている。
さすがに安定した団体で、グループとしての音色が少し出てきた。4人の合奏ではなく、カルテットとしてのまとまりが感じられたのは初めてのことで、この団体がベートーヴェンには注力してきているのも無関係ではないだろう。また、音色の説得力は他に比べ、ステージ経験値の差なのかもしれない、よく通る。彼女たちが目指している強さのようなものはもう一歩というところだが、志向する方向性も見え始めて、楽しみなグループである。
と、学生の演奏としては、なかなか“コンサート”として満足した演奏会だったです。