2009.02.10
川畠成道というヴァイオリニスト
なんだか、下書きを書いては放り込んだままアップし忘れている、というのが続いて、表にはぜんぜんアーティクルが上がっていないという事実に、PR文が入っていたのを見てきづいたりして。
だめじゃん、私。
2009年1月31日(土) 川畠成道・ニューイヤーコンサート
を聴きにいった。
31日になって「ニューイヤー」も無いと思うが、そのあたりはシャレだったりして、実はツアーで1か月間続いていたのである。彼はMCも上手いし、なかなかユーモアのセンスがある。
最近は、彼の演奏を聴くことが増えているのにけっこう気合を入れて聴きにいったのは、彼の親友で相棒であるピアニスト、チャドリックのピアノを聴くためでもあった。それに、「リサイタル」になると、普段、名曲を素晴らしい筆致で聴かせてくれる彼の、「ど真ん中のクラシック」にも興味があったりして。
結果は。
面白い解釈をするなぁ。もっとこうしたら、あぁしたら。
それとピアニストとは、非常に息が合っている。彼らは英国王立音楽院時代の同窓生なので、もしかしたらその解釈は、そこんち風なのだろうか? そうも思う。
ブラームスのヴァイオリンソナタ。大好きな曲であり、自分でも相当勉強した作品だ(ヴァイオリンで弾いたという意味じゃないです)。好き嫌いでいえば、個人的にはもう少しドイツっぽい、骨格のハッキリした筆致の方が好きだ。だが、聴いているうちに説得力を持ってくるのが彼らの面白いところ。
ピアニストはとてもよい。音色とタッチ、それになんだか「合わせてる」という感じがしない。ケラスとタローにみるように、互いが“合っている”のだろう。これは育っていけばよい相棒になる。
ただ、それだけに同じ穴の狢にならないようにしなければならないようにも思えた。
ピアノがもっと前に出てもいいのでは。そういうシーンにも何度も出合ったからである。特にこのソナタについてはそうなのだ。
川畠というのは不思議なヴァイオリニストである。
「もう少し、そこは…」そんな部分が散見される処もあって、あぁこっちの方向へ行ったものを聴いてみたい、そんな風に思わせることも多々ある。だが、彼は現在演奏しているものについては、できうる限りの完璧に近づけるように研鑽していて、それは揺るぎの無い確かさで提供される。その、ある種の“毅さ”は彼の強みであり魅力なのだろう。
そして、どんな曲のどんなシーンでも、必ず。一箇所以上の部分で、その、「天から与えられたとしか思われない」音色を聴かせるのである。音色、だけではない。ここにその音が存在するのは与えられたものだとしか考えられないような、澄んで、透明で、そして楽器自身が歌うかのような。まるで光に変化してしまったような音を、ワンフレーズそこからまたさらに音楽は展開していく。
そうすると、その前後の解釈もどうでもよくなるのかもしれない。
いやだが。
まだまだ彼は大きなヴァイオリニストになれるのだろう。だが、今のまま行っても相当良いヴァイオリニストであり、人に愛され、世の中のある部分を変えていける存在であることは確かだ。
だが、敢えて踏み込んでほしいと思うのは、まだ、「可能性」をすら秘めているからだったり。幸いにも彼は歩むことをやめることはないだろう。ただひたすら、「今日より明日を、今年より来年を」。10周年のコンサートが続いているが、その最後に彼は必ず「次の10年」と言う。それがある限り、川畠成道という存在は、変化し続けていってほしい、その「持てるもの」を大切に磨きながら、そう思うわけだった。
う~ん、5月16日にイグモアホール(英国)に行くかどうか、迷うところだなぁ、、、
だめじゃん、私。
2009年1月31日(土) 川畠成道・ニューイヤーコンサート
を聴きにいった。
31日になって「ニューイヤー」も無いと思うが、そのあたりはシャレだったりして、実はツアーで1か月間続いていたのである。彼はMCも上手いし、なかなかユーモアのセンスがある。
最近は、彼の演奏を聴くことが増えているのにけっこう気合を入れて聴きにいったのは、彼の親友で相棒であるピアニスト、チャドリックのピアノを聴くためでもあった。それに、「リサイタル」になると、普段、名曲を素晴らしい筆致で聴かせてくれる彼の、「ど真ん中のクラシック」にも興味があったりして。
結果は。
面白い解釈をするなぁ。もっとこうしたら、あぁしたら。
それとピアニストとは、非常に息が合っている。彼らは英国王立音楽院時代の同窓生なので、もしかしたらその解釈は、そこんち風なのだろうか? そうも思う。
ブラームスのヴァイオリンソナタ。大好きな曲であり、自分でも相当勉強した作品だ(ヴァイオリンで弾いたという意味じゃないです)。好き嫌いでいえば、個人的にはもう少しドイツっぽい、骨格のハッキリした筆致の方が好きだ。だが、聴いているうちに説得力を持ってくるのが彼らの面白いところ。
ピアニストはとてもよい。音色とタッチ、それになんだか「合わせてる」という感じがしない。ケラスとタローにみるように、互いが“合っている”のだろう。これは育っていけばよい相棒になる。
ただ、それだけに同じ穴の狢にならないようにしなければならないようにも思えた。
ピアノがもっと前に出てもいいのでは。そういうシーンにも何度も出合ったからである。特にこのソナタについてはそうなのだ。
川畠というのは不思議なヴァイオリニストである。
「もう少し、そこは…」そんな部分が散見される処もあって、あぁこっちの方向へ行ったものを聴いてみたい、そんな風に思わせることも多々ある。だが、彼は現在演奏しているものについては、できうる限りの完璧に近づけるように研鑽していて、それは揺るぎの無い確かさで提供される。その、ある種の“毅さ”は彼の強みであり魅力なのだろう。
そして、どんな曲のどんなシーンでも、必ず。一箇所以上の部分で、その、「天から与えられたとしか思われない」音色を聴かせるのである。音色、だけではない。ここにその音が存在するのは与えられたものだとしか考えられないような、澄んで、透明で、そして楽器自身が歌うかのような。まるで光に変化してしまったような音を、ワンフレーズそこからまたさらに音楽は展開していく。
そうすると、その前後の解釈もどうでもよくなるのかもしれない。
いやだが。
まだまだ彼は大きなヴァイオリニストになれるのだろう。だが、今のまま行っても相当良いヴァイオリニストであり、人に愛され、世の中のある部分を変えていける存在であることは確かだ。
だが、敢えて踏み込んでほしいと思うのは、まだ、「可能性」をすら秘めているからだったり。幸いにも彼は歩むことをやめることはないだろう。ただひたすら、「今日より明日を、今年より来年を」。10周年のコンサートが続いているが、その最後に彼は必ず「次の10年」と言う。それがある限り、川畠成道という存在は、変化し続けていってほしい、その「持てるもの」を大切に磨きながら、そう思うわけだった。
う~ん、5月16日にイグモアホール(英国)に行くかどうか、迷うところだなぁ、、、
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2008.11.11
ヴィオラのリサイタル
銀座の王子ホールへ行ってきた(最近、週に1回くらい? 笑)。11月10日(月)のことである。
毎年この時期に行なわれている、後藤悠仁さんのリサイタルに、今年初めて行ったのだ。
お名前が、最近お生まれになった某皇室のお子様と同じで、しばらく(身内で)話題になった、程度には親しい方である。日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者。たいへんに素晴らしい首席で、あの楽団の弦の響きの一端を担う巧者でもある。
「ヴィオラで年に1回リサイタルを打つなんて、無謀なんですけど」と仰る。その通り。まずレパートリーの問題があるし、なんといっても最多忙な楽団(?)(<びんぼだから)ともいえるオケの仕事がばりばりにあるし、ほかにもアマチュアオーケストラのトレーナーとか行っている(レッスンも非常に上手、、、と断言するのはレッスン受けたことあるからです、はい。その時は伴奏で行ったんだけど)。
だから、同じ曲を弾いたりもなさるが、それはそれで変化が楽しめるという醍醐味がある。
しかし、王子ホールが完売の満席。……これは凄いことだ。常連、というファンの方がいらっしゃる。ふだん演奏会をあまり聴かない方もいるそうで、これはもう演奏もだけれど人柄もあるんだろう。
その通りの音楽と音色(ねいろ)と、素敵な一夜。楽曲の完成度も高いし。中でもヴィオリストなら誰でも弾くのでけっこうあちこちで聴いたよな、というヒンデミットの無伴奏ヴィオラソナタは非常に素晴らしく、うわぁ、と思いながら聴いた。現役プレーヤーって本当に(当たり前だけど)上手いよなぁ。
楽団員であることに軸足のある方のソロ演奏と、ソリストとしてだけ続けている方というのは、音の作り方が無意識にずいぶん違うと感じる。もちろん、ある程度は切り替えをするものではあるが、特に中低弦を担当する場合に、和声の作り方や、音階の3音7音の取り方に特徴があるような気がするのだ。楽団の中核を担う弾き手は、だから極めて音がハマって心地よい。特に和声感はデフォルトのものなんだろうなぁ、すごい。…その分、突出した特徴が無くなる可能性はあるけれども、そんなこともなかった。
ほっこりと温かい空間。聴衆と、舞台の上の一体感。応援したいと思う人たち、それに感謝しつつ演奏している人。またそれを楽しみに聴き楽しんでいる人たち。
逆に言えば怖い聴衆かもしれない、だからそれに問うということも素晴らしいのだった。
恵まれた手指もあるのかもしれないが、技術がとても安定していて驚く。私が言うとエラソーかもしれないけれども、ぴったりと左手が動き、右手はいとも軽々と、難しい音を紐解いていく。聴き手は音楽だけを楽しんでいればいい。
ピアニストも音色(おんしょく)は素晴らしく、たぶんテクニックもあるのだろうし、アンサンブル技術も抜群だ。人柄も良さそうだし…しかし私はパス。ブラームスのヴィオラソナタ第1番。とても好きな曲。これはピアノとヴィオラのデュオであり、どちらが主役でもない。ずいぶんフランス~っぽい演奏だったが、私はドイツっぽい方が好きだし、メリハリももっとあった方がすき。解釈の違いといってしまえばそれまでだけれども、ピアノが仕掛けたり、語ったりするべきところも浮いて来ないのだ。できないのでなくやってないように聞こえる、つまりそういう解釈なのだろうと思う。
だから、全体に枯れた印象があって……そうじゃないんじゃないかな。と私は思った。ぺダリングが好きではないので、よけい耳に障ったのかもしれない。…と思ったのが唯一の難だったかな。
毎年この時期に行なわれている、後藤悠仁さんのリサイタルに、今年初めて行ったのだ。
お名前が、最近お生まれになった某皇室のお子様と同じで、しばらく(身内で)話題になった、程度には親しい方である。日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者。たいへんに素晴らしい首席で、あの楽団の弦の響きの一端を担う巧者でもある。
「ヴィオラで年に1回リサイタルを打つなんて、無謀なんですけど」と仰る。その通り。まずレパートリーの問題があるし、なんといっても最多忙な楽団(?)(<びんぼだから)ともいえるオケの仕事がばりばりにあるし、ほかにもアマチュアオーケストラのトレーナーとか行っている(レッスンも非常に上手、、、と断言するのはレッスン受けたことあるからです、はい。その時は伴奏で行ったんだけど)。
だから、同じ曲を弾いたりもなさるが、それはそれで変化が楽しめるという醍醐味がある。
しかし、王子ホールが完売の満席。……これは凄いことだ。常連、というファンの方がいらっしゃる。ふだん演奏会をあまり聴かない方もいるそうで、これはもう演奏もだけれど人柄もあるんだろう。
その通りの音楽と音色(ねいろ)と、素敵な一夜。楽曲の完成度も高いし。中でもヴィオリストなら誰でも弾くのでけっこうあちこちで聴いたよな、というヒンデミットの無伴奏ヴィオラソナタは非常に素晴らしく、うわぁ、と思いながら聴いた。現役プレーヤーって本当に(当たり前だけど)上手いよなぁ。
楽団員であることに軸足のある方のソロ演奏と、ソリストとしてだけ続けている方というのは、音の作り方が無意識にずいぶん違うと感じる。もちろん、ある程度は切り替えをするものではあるが、特に中低弦を担当する場合に、和声の作り方や、音階の3音7音の取り方に特徴があるような気がするのだ。楽団の中核を担う弾き手は、だから極めて音がハマって心地よい。特に和声感はデフォルトのものなんだろうなぁ、すごい。…その分、突出した特徴が無くなる可能性はあるけれども、そんなこともなかった。
ほっこりと温かい空間。聴衆と、舞台の上の一体感。応援したいと思う人たち、それに感謝しつつ演奏している人。またそれを楽しみに聴き楽しんでいる人たち。
逆に言えば怖い聴衆かもしれない、だからそれに問うということも素晴らしいのだった。
恵まれた手指もあるのかもしれないが、技術がとても安定していて驚く。私が言うとエラソーかもしれないけれども、ぴったりと左手が動き、右手はいとも軽々と、難しい音を紐解いていく。聴き手は音楽だけを楽しんでいればいい。
ピアニストも音色(おんしょく)は素晴らしく、たぶんテクニックもあるのだろうし、アンサンブル技術も抜群だ。人柄も良さそうだし…しかし私はパス。ブラームスのヴィオラソナタ第1番。とても好きな曲。これはピアノとヴィオラのデュオであり、どちらが主役でもない。ずいぶんフランス~っぽい演奏だったが、私はドイツっぽい方が好きだし、メリハリももっとあった方がすき。解釈の違いといってしまえばそれまでだけれども、ピアノが仕掛けたり、語ったりするべきところも浮いて来ないのだ。できないのでなくやってないように聞こえる、つまりそういう解釈なのだろうと思う。
だから、全体に枯れた印象があって……そうじゃないんじゃないかな。と私は思った。ぺダリングが好きではないので、よけい耳に障ったのかもしれない。…と思ったのが唯一の難だったかな。
2007.12.25
演奏すること
…何故にここに書くのは敷居が高いのだろう? そう思って考えてみるのに(趣味でやっている「おたく日記」的なblogの方はほぼ毎日書いていたりもするのに)、客観的に見えた聴いたことや事実だけ(演奏会の中身については相当に主観的だろうと思うが)を書こうと構えるのがいかんのではないか。そんな気がして、今年の最後に来て、スタンスを変えてみようかなと思い始めた。
8月に、一大決心というか、フと思い立って、オーケストラ活動を再開することにした。
それで、次にやったことは、もちろんウェッブから「条件に適合したアマチュア・オーケストラの検索」ではあったが、(商売柄、相当数のアマチュア楽団とはお付き合いがあり、そこそこ実績やら知り合いの居るところが多すぎ、だったりもする)その次にやったことは、師匠の所へ電話することだった。
「せんせぇ…ヴァイオリンまた始めたんですけど、みていただけますか?」「お~、元気か」
わが師匠は人格者である。…気まぐれな社会人のレスナーには慣れていて、行くと喜んで(厳しく)教えていただけるが、そうでなくとも怒られたりはしない。がっかりされることはあるけど…そうすっと悲しくなります、はい。
ということで、9月からアマチュアオーケストラに仮入団して(11月をもって正式入団した)、10月からレッスンも復活した。
とはいえ、なかなかなかなか調子は戻らんわ、音程は悪いは、どーしよーもねーぞってな数か月であった。
埋まりまくっていた予定の消化が終わり、来年から「仕事あるのか?」という状況に陥った12月、ようやくオーケストラの練習にも毎週出られるようになり、楽曲も楽しんで弾けるようになり(というのはどういうことかというと、「弾けない課題箇所がハッキリしてきた」という程度の意味だったりする)、そうこうするうちにレッスンは目の前だし、本番も2月に迫っている。
うぁぁ! …まぁいいや。正月明けの合宿で取り返して見せよう、といやに前向きな今日このごろなのである。
8月に、一大決心というか、フと思い立って、オーケストラ活動を再開することにした。
それで、次にやったことは、もちろんウェッブから「条件に適合したアマチュア・オーケストラの検索」ではあったが、(商売柄、相当数のアマチュア楽団とはお付き合いがあり、そこそこ実績やら知り合いの居るところが多すぎ、だったりもする)その次にやったことは、師匠の所へ電話することだった。
「せんせぇ…ヴァイオリンまた始めたんですけど、みていただけますか?」「お~、元気か」
わが師匠は人格者である。…気まぐれな社会人のレスナーには慣れていて、行くと喜んで(厳しく)教えていただけるが、そうでなくとも怒られたりはしない。がっかりされることはあるけど…そうすっと悲しくなります、はい。
ということで、9月からアマチュアオーケストラに仮入団して(11月をもって正式入団した)、10月からレッスンも復活した。
とはいえ、なかなかなかなか調子は戻らんわ、音程は悪いは、どーしよーもねーぞってな数か月であった。
埋まりまくっていた予定の消化が終わり、来年から「仕事あるのか?」という状況に陥った12月、ようやくオーケストラの練習にも毎週出られるようになり、楽曲も楽しんで弾けるようになり(というのはどういうことかというと、「弾けない課題箇所がハッキリしてきた」という程度の意味だったりする)、そうこうするうちにレッスンは目の前だし、本番も2月に迫っている。
うぁぁ! …まぁいいや。正月明けの合宿で取り返して見せよう、といやに前向きな今日このごろなのである。
2007.10.13
ハープのたくましさ
イケメンと評判のグザヴィエ・ドゥ・メストレを聴いてきた。この人、前回はチケット持ってたのに聴けなくて、上手い上手いというのは聞いていたのだが、今回は速攻で完売。キャンセル待ちチケットで行って参りました。
いやはや。
ホールの担当の方にも言ったんだけど、パユさんのフルートを聴いた時と同じ感想を持った。要するに「この楽器ってこういう楽器だっけ」。
ハープはだいたい、個人的には男が弾く方が好きである。女性が弾くのは痛々しい、何故なら、私自身が指の関節がすごく弱くて、簡単に傷めるので、華奢な指で弾いてるのを見ると物凄く大変なんだろうなと思うからだ。男がひくと、ぼぼん、というような感じの音がする。それがオーケストラの中とかで、安定した響きを作り、和音を上に沢山持つ気がする。…骨の太さは明らかに影響があるのだと思う。もちろん女性のハーピストでも(私が)好きな人は居て、そういう人たちは例外なく骨太の音を演奏する。
メストレは、出てきた途端、うぉわっ、っと思った。
いや、ハンサムだからじゃなくて、デカいんです。背が高く、手が大きく太くて、優雅というよりもおゎって感じだ。足も当然長いし手も長い。楽器が体の中に自然に納まる。完全に“こなして”いるのだ。
案の定、ダイナミクレンジは広いし、技術はもう完璧だし。非常に体調が悪かったというのに、集中力が途切れることなく7曲を聴いた。
この日は同時にオペラシティでベルリン・バロック・ゾリステンもあり、パユとクスマウルを聴けなかったのは残念だったが、一度、2人のデュオなど聴いてみたい。(そういう企画はあったそうだが、メストレは乗り気だったようだがパユの方が×だったそうだ。忙しいもんね)
ともかく、印象的でお得な一夜であった。次の来日も絶対聴こうっと。
フランシスク/*グランジャニー:パヴァーヌとブランル
デュセック:ハープソナタ ハ短調
スメタナ/*トレネチェク:『わが祖国』より「モルダウ」
-Intermezzo-
ハチャトゥリアン:オリエンタルダンスとトッカータ
ドビュッシー/*ルニエ:二つのアラベスク
ルニエ:「伝説」
アンコールは2曲。ラストの曲を弾く前に「最後」っと言ったのがご愛嬌。ハンブルク音大で教えているそうで、会話がドイツ語だったので驚いた。しかし、ハープってのも凄い楽器なんだなぁ。
いやはや。
ホールの担当の方にも言ったんだけど、パユさんのフルートを聴いた時と同じ感想を持った。要するに「この楽器ってこういう楽器だっけ」。
ハープはだいたい、個人的には男が弾く方が好きである。女性が弾くのは痛々しい、何故なら、私自身が指の関節がすごく弱くて、簡単に傷めるので、華奢な指で弾いてるのを見ると物凄く大変なんだろうなと思うからだ。男がひくと、ぼぼん、というような感じの音がする。それがオーケストラの中とかで、安定した響きを作り、和音を上に沢山持つ気がする。…骨の太さは明らかに影響があるのだと思う。もちろん女性のハーピストでも(私が)好きな人は居て、そういう人たちは例外なく骨太の音を演奏する。
メストレは、出てきた途端、うぉわっ、っと思った。
いや、ハンサムだからじゃなくて、デカいんです。背が高く、手が大きく太くて、優雅というよりもおゎって感じだ。足も当然長いし手も長い。楽器が体の中に自然に納まる。完全に“こなして”いるのだ。
案の定、ダイナミクレンジは広いし、技術はもう完璧だし。非常に体調が悪かったというのに、集中力が途切れることなく7曲を聴いた。
この日は同時にオペラシティでベルリン・バロック・ゾリステンもあり、パユとクスマウルを聴けなかったのは残念だったが、一度、2人のデュオなど聴いてみたい。(そういう企画はあったそうだが、メストレは乗り気だったようだがパユの方が×だったそうだ。忙しいもんね)
ともかく、印象的でお得な一夜であった。次の来日も絶対聴こうっと。
フランシスク/*グランジャニー:パヴァーヌとブランル
デュセック:ハープソナタ ハ短調
スメタナ/*トレネチェク:『わが祖国』より「モルダウ」
-Intermezzo-
ハチャトゥリアン:オリエンタルダンスとトッカータ
ドビュッシー/*ルニエ:二つのアラベスク
ルニエ:「伝説」
アンコールは2曲。ラストの曲を弾く前に「最後」っと言ったのがご愛嬌。ハンブルク音大で教えているそうで、会話がドイツ語だったので驚いた。しかし、ハープってのも凄い楽器なんだなぁ。
2007.02.15
フランスの突風(笑)
Les Vents Franc(;)ais(レ・ヴァン・フランセ)です。
明日も東京オペラシティでありますが、好きな曲ばかりなんです。本当は行きたかったのですが(涙)。
(明日のプログラム)
ベートーヴェン:ピアノ、フルート、バソンのための三重奏曲 ト長調
ラッハナー:木管五重奏曲第2番
ティエリー・エスケシュ:レ・ヴァン・フランセのために書かれた新作
ジョリヴェ:セレナード -オーボエ主奏を伴う木管五重奏のための
ミヨー:木管五重奏のための組曲「ルネ王の暖炉」 Op.205
プーランク:六重奏曲
う~ん。同じ曲もあるのですが、ミヨーの「ルネ王」は好きな曲なんですよ♪聴きたいなぁっ(泣)・・・ジョリヴェも・・・。
さて14日、バレンタインデーですね、世間では。
今年は家にこもっていたのと、最近、オトコノヒトとお仕事でもそういう親密なオツキアイがないですな(笑)。義理チョコというか、若いコたちの間(小学生とか)では「友チョコ」というんだそうです。そういうの、かわいくないですか?
ところで、モロゾフからあまりにも可愛いチョコが出ていたので、購入し、とりあえず同居人にあげました。喜ばれて(単にチョコレートが好き)、一気に食われてしまいましたが、、、チョコも本望であろう。
・・・
王子ホールです。
木管五重奏+ピアノに、この空間はなかなか適当だと思いますね。バランスも客席数も、音響空間も。ぜいたくな夜でした。
ジョン・ケージ:管楽器のための音楽 (木管五重奏)
ハイドン:ロンドン・トリオ ト長調 2と3(Fl、Ob、Bason)
ティエリー・エスケシュ:レ・ヴァン・フランセのために書かれた新作(日本初演)(Fl、Ob、Cl、Hr、Bason+P)
ベートーヴェン:五重奏曲 変ホ長調作品16(Ob、Cl、Hr、Bason、P)
プーランク:六重奏曲 全員
(アンコール)
ルセール:ディヴェルティスマン 作品6
いやなにがすごいかって。
古典、近代フランス、現代と三すくみに揃っている選曲で、どれもきっちり聴かせてしまう力量にまず驚き。特にハイドンのオーソドックス正統派(もちろんいろいろ音楽的にハジケてますけど)の演奏と、ルセールやプーランクで見せるなんとゆーか、の間と色彩の音楽。現代音楽やベートーヴェンの構造感、というような。
ともかく「これだけ吹けりゃーなんでもこい」みたいなグループではあるのだけれども、そんな処に留まっていない、音楽そのものをきっちり聴かせてくれる。まずは完璧なアンサンブル。これだけスーパースターが揃っているのに、誰を聴くでもなく、皆が支え合いひしめきあい、ぶつかりあって素晴らしい。
でもねー。ル・サージュのピアノは益々冴えており完璧に上に乗る管楽器を支えておりました。すばらしーです。
レ・ヴァン・フランセ(フランスの風)。どの1人をとっても一人者の1人。こういう人たちが一同に出会っちゃうというのがこの世界の素晴らしい処ですね。次に会えるのはいつかな★ともう次を考えてしまうほど、名残惜しい夜でした。
メンバー/エマニュエル・パユ(Fl)、フランソワ・ルルー(Ob)、ポール・メイエ(Cl)、ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(Hr)、ジルベール・オダン(Bason)、エリック・ル・サージュ(P)
明日も東京オペラシティでありますが、好きな曲ばかりなんです。本当は行きたかったのですが(涙)。
(明日のプログラム)
ベートーヴェン:ピアノ、フルート、バソンのための三重奏曲 ト長調
ラッハナー:木管五重奏曲第2番
ティエリー・エスケシュ:レ・ヴァン・フランセのために書かれた新作
ジョリヴェ:セレナード -オーボエ主奏を伴う木管五重奏のための
ミヨー:木管五重奏のための組曲「ルネ王の暖炉」 Op.205
プーランク:六重奏曲
う~ん。同じ曲もあるのですが、ミヨーの「ルネ王」は好きな曲なんですよ♪聴きたいなぁっ(泣)・・・ジョリヴェも・・・。
さて14日、バレンタインデーですね、世間では。
今年は家にこもっていたのと、最近、オトコノヒトとお仕事でもそういう親密なオツキアイがないですな(笑)。義理チョコというか、若いコたちの間(小学生とか)では「友チョコ」というんだそうです。そういうの、かわいくないですか?
ところで、モロゾフからあまりにも可愛いチョコが出ていたので、購入し、とりあえず同居人にあげました。喜ばれて(単にチョコレートが好き)、一気に食われてしまいましたが、、、チョコも本望であろう。
・・・
王子ホールです。
木管五重奏+ピアノに、この空間はなかなか適当だと思いますね。バランスも客席数も、音響空間も。ぜいたくな夜でした。
ジョン・ケージ:管楽器のための音楽 (木管五重奏)
ハイドン:ロンドン・トリオ ト長調 2と3(Fl、Ob、Bason)
ティエリー・エスケシュ:レ・ヴァン・フランセのために書かれた新作(日本初演)(Fl、Ob、Cl、Hr、Bason+P)
ベートーヴェン:五重奏曲 変ホ長調作品16(Ob、Cl、Hr、Bason、P)
プーランク:六重奏曲 全員
(アンコール)
ルセール:ディヴェルティスマン 作品6
いやなにがすごいかって。
古典、近代フランス、現代と三すくみに揃っている選曲で、どれもきっちり聴かせてしまう力量にまず驚き。特にハイドンのオーソドックス正統派(もちろんいろいろ音楽的にハジケてますけど)の演奏と、ルセールやプーランクで見せるなんとゆーか、の間と色彩の音楽。現代音楽やベートーヴェンの構造感、というような。
ともかく「これだけ吹けりゃーなんでもこい」みたいなグループではあるのだけれども、そんな処に留まっていない、音楽そのものをきっちり聴かせてくれる。まずは完璧なアンサンブル。これだけスーパースターが揃っているのに、誰を聴くでもなく、皆が支え合いひしめきあい、ぶつかりあって素晴らしい。
でもねー。ル・サージュのピアノは益々冴えており完璧に上に乗る管楽器を支えておりました。すばらしーです。
レ・ヴァン・フランセ(フランスの風)。どの1人をとっても一人者の1人。こういう人たちが一同に出会っちゃうというのがこの世界の素晴らしい処ですね。次に会えるのはいつかな★ともう次を考えてしまうほど、名残惜しい夜でした。
メンバー/エマニュエル・パユ(Fl)、フランソワ・ルルー(Ob)、ポール・メイエ(Cl)、ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(Hr)、ジルベール・オダン(Bason)、エリック・ル・サージュ(P)