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2007.01.27 ANAの中
関西から戻ってバテてました。帰った日にコバケンさんのマーラーなど聴いてしまったからか、土日はちょっといろいろ準備で忙しかったりなどしまして。

2月1日からフランスのナント市へ行きます。
やたら一昨年から燃えまくっていました「ラ・フォル・ジュルネ」の現地に行けることになった…というか、ひょんなことから飛び込んできたお話で。いや、音楽業界の末端を汚す身なので、自費渡航でございます。ですが現在は、航空運賃安いんですよー。行くっきゃない、ってお値段でした(ホテルはユーロ高がちと厳しいけど、それでも高くない)。

     ・・・
航空機に乗ると必ず前の席に置かれてある「Sky Shop」と機内誌は見ますね。機内誌ってどのくらいの部数を刷っているのでしょうか、わりと最近まで知っているプロダクションが作っていたので、写真や筆者に知ってる名前がぞろぞろ出てて、そういった意味でも楽しんでいましたが、どうやら編集長かプロダクションか、どちらかが代わったようで、スタッフ一新。もちろん継続して撮ってらっしゃる方もおられますし書いてらっしゃる方もおられます。

月刊でしょ? ほとんど専任なのでしょうね。
ネタは面白いです。なるほど、「旅」ということとセットにし、読者がそこへ航空機を使って行きたくなり、また行った先に興味が持てるように。単なるガイドではなく、観光客的視点を失わないで、しかも現地に入り込んでいくような作り方が、ANAの「翼の王国」の方法かなと感じています。

でも。個人的にはツマラナイです。ネタは良い、切り口も良い。新鮮だったりもするが、「ご自由にお持ち帰りください」と書かれていても、保存しておこう、という記事に出合わない。
雑誌の企画記事は、かなり力がこもった取材や作りをしているので、保存のためにはよく切り取って積んでおきます。女性誌記者の長い身としてはそれが場所を取らず、ベストではないけどべたーな方法。
ところが、その気になるものが、あまりないのですね。

写真は良いな、と思うものがたくさんあります。
今回の長江のなんかは、うーん、と迷いました。
記事は、北海道の少年ジャンプ団の記事が注目でしたがね、、but.

ところが。
最近、「これだけは」と読んで、そこだけ持ってかえる見開きの記事があります。単なるエッセイなのですが、

 --椎根和(しいね・やまと)「三島由紀夫」

あぁ。お元気でいらしたんだな、と何だか安心し、読んでその方らしいと思い、う~んさすがに凄いと唸る。
文章が超絶上手いとかそういうのではなくて、行間に込められている雑誌記者・編集者としての歴史というかが重い。
 どういう方かご存じない方のために。あの、マガジンハウス「Hanako」の初代編集長である。いやそれまでもクロワッサンだとか一斉を風靡した多くの雑誌にかかわり、雑誌の時代の一翼を担った名物編集長の1人だった。あのバブルの時期に、Hanakoの仕事を私は数年させていただいたが、50人からなる大所帯の外部スタッフの末端の1人だった私などからすれば雲の上の編集長サマで、直接言葉を交わしたことはほとんど数えるほど。だが、デスクと一緒に「銀座特集」や「横浜特集」のキャッチを唸っていると、後ろをするりと通り過ぎながら名キャッチをつぶやいてくれて、思わずデスクと顔を見合わせて「これはいただき」となったこともあるし。編集者-デスク-編集長と原稿が上がっていき、何度かの関門を経て、自分の書いたコピーがそのまま電車の中刷りに載っていた時は本当に嬉しかったなー♪ というような方である。
 天才、だと思っていたし、まぁそれなりの逸話もお持ちの方だった。今回書かれていたのは「三島由紀夫」で、M社にとっては切っても切れない文学者であり才人であった人だろう。その文章に惚れない物書きはいないのではと思うが、数々の逸話を酒の肴に聞き、そこで聞いた憧れは今でもどこかの心の隅にあるように思う。

 話ずれましたね。
いやぁ実際逢って話したり関わった人の言葉は貴重だ。しかも、剣道の師匠だったなんて。…椎根さんて剣道なんてされるのか、うー文系青年(の少し年を召した)の典型だと思っていましたので驚きです。
 M社と三島については、また、ある社員カメラマンも関わるのだけれども、この方も素晴らしい人で、こちらの方にはけっこうかわいがっていただいた。私が写真にたいへんに興味があり(自分でも必要に迫られて撮ったりするがこの時代はさすがに撮るのはおこがましいと思っていたほどだ)、多くの写真の方々と接する機会を持てたのはそのおかげともいえる。

 ということで。機内誌は時間ツブしだとは思うけど。
 もう少し面白い記事がもう少したくさんあると嬉しいんだけどな。
 …と、つい通販してしまうのも、狙いなのかもしれないけど。

などと思った往路である。…ちなみに、nantesにもANAで行く私である。
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